2017年05月04日

【読了42】裸足で逃げる

この本がfacebookのタイムラインに流れてきたときは、とくに読みたいとは思わなかった。タイトルからして、なんとなく『裸でも生きる』の対極にあるようなものかなと思ったぐらいで。でもなんでかamazonの買い物カゴに入ってて、沖縄出張が決まったあと、すぐにポチった。で、たぶんこのタイミングでしか読まないだろうなと思って、キャリーバッグに入れてGWへ。





本書は、琉球大学の研究者である著者が、4年間にわたって調査した、沖縄の「しんどい」暮らしを送っている10代から20代前半の少女たちへのインタビュー記録。6つの章に、それぞれ調査対象となる少女たちとの記録がまとめられている。そのどれもが、自分にはフィクションの世界でしか見聞きしたことのない話で、想像すること自体とっても「しんどい」。というか、想像が全然追いつかない。とくに、少女たちの心情とそこから起こる行動は、正直、“共感”できないことばかり。


筆者は冒頭、次のように書いている。


 私たちは生まれたときから、身体を清潔にされ、なでられ、いたわられることで成長する。だから身体は、そのひとの存在が祝福された記憶をとどめている。その身体が、おさえつけられ、なぐられ、懇願しても泣き叫んでもそれがやまぬ状況、それが、暴力が行使されるときだ。そのため暴力を受けるということは、そのひとが自分を大切に思う気持ちを徹底的に破壊してしまう。
 それでも多くのひとは、膝ががくがくと震えるような気持ちでそこから逃げ出したひとの気持ちがわからない。そして、そこからはじまる自分を否定する日々がわからない。だからこそ私たちは、暴力を受けたひとのそばに立たなくてはならない。そうでなければ、支援は続けられない。


なるほど、僕のような人のために書かれた本なのだろう。


読み終えても、わからないことだらけ。

でも、書かれた事実は、僕の中の「知識」になった。



わからないけど、知っている。



知っていることは、否定も批判もしない。
posted by 土井佳彦(Yoshihiko DOI) at 15:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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